今回の事について

今日の文章は書こうか、書くのを止めようか、
ずいぶん悩みました。


でも、あえて書こうと思います。


先に申し上げておきますが、
私はいぬ親さまを責めたいわけではありません。
というより、責められません…。


誰にでも過ちはあります。
つい、うっかりもあります。
私だって、いつ同じことをしてしまうかわかりません。


でも、私は製品事故予防を行うNPO法人の特別会員でもあり、
人や動物の安全に関わる表記のコンサルティング会社を経営している、
白衣を着ている人間です。


今までにお母さんやお父さんの「つい、うっかり」で事故にあい、
命を落としたり、大きなケガや後遺症を負ってしまった子供たちを
何人も、何人も、イヤというほど見てきました。




事故の怖さも、「つい、うっかり」の代償の大きさも
「ごめんね!」と、泣き叫ばれたご両親の声も知っています。



知っている人が伝えなければ、知らない人には伝わらない!
伝わらなければまた事故が起き、被害が拡大してしまう。
その事を知っている私だからこそ、あえて伝えるべきだと…。


「つい、うっかり」で、取り返しがつかなくなることもあります。
そして、そのリスクを負うのは、常に「弱者」です。


誰にでも「事故」は必ず起こります。
いつ自分が被害者や加害者になるか、誰にもわかりません。


でも、知っていれば少しは事故は防げます。
そして、自分がもし「当事者」になった時、
事例を知っていれば、被害を最小限に食い留めることができます。
しかし、それでも起こるのが「事故」なのです。


今回のことを絶対に風化させないように…。
そして二度と同じ過ちが起こらないように…。
その祈りを込めて、あえて書こうと思います。



もう2度と、
誰にもこんな想いをして欲しくない!


もう2度と、
誰にもこんな危ない橋を渡らせたくない!





私がこれを書いた理由は、その思いだけです。



どうか、ひとみのいぬ親さまを責めないでください。
そしてどうか「他人事」として読まないでください。
明日は我が身かもしれないのです。
一昨日までの私のように。。。


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みなさまご存知と思いますが、
8月3日に我が家を卒業した「ひとみ」が、
2日後の5日夜、トライアル先から逸走してしまいました。


原因は「玄関扉の開放」でした。


逸走の日、ひとみはいぬ親様にシャンプーをしてもらったそうです。
シャンプー後、お子さんがひとみに首輪を付けようとしたところ、
開いていたリビングと玄関のドアから、走って外に出てしまったとのこと。


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逸走の連絡を受けた私は、
すぐに「ひとみ」のいぬ親さま宅に向かいました。


いぬ親様宅までは、車で2時間ほどかかります。
しかも、うるさら家では私しか運転できません。


さらに運が悪いことに、うるさらパパは当直で不在。
家には「ちっちゃいにぃに」しかおらず・・・。


なので、同じ預りのまちぶーさんといちままに連絡しつつ、
パニックで手が震えたまま、1人で車を運転して行きました。



ひとみ、どうか無事でいて!!


今、おばちゃんが行くから待ってて!




この時点では「絶対にすぐ見つかる!」と確信していました。
だって、ひとみは2回もセンターの最終部屋を経験した、
とても運の強い子ですから・・・。


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手の震えと乱れる心を落ち着かせながら、
夜21時すぎ、車でいぬ親宅に到着。


すぐに逃走方向の確認と共に、
ひとみの名前を呼びながら、歩いて捜索を開始しました。


その直後、届を出していた駐在所から
「茶色の犬を発見、捕まえようとしたが逃げられた」と連絡が入り、
付近を捜索していたところ、
「今、公園で捕まえようとしたが逃げられた、ひとみに間違いない」と
ご近所の方から連絡があり、急いで駆けつけました。


広い公園を1時間半ほど、ひとみの名を呼びながら探していたところ、
夜遅くにも関わらず、ちばわんスタッフの皆様が駆けつけてくださり…。


土地勘も全くない暗闇の中、時間ばかりが過ぎてゆき、
不安で心細くてたまらなかったところに、
スタッフの皆さまからの温かい言葉。。。


夜遅いのに、会ったこともない私のために駆けつけてくださり、
本当に申し訳なくて、嬉しくて、心強くて…。
思わず、涙が出てしまいました。


その後、しばらく皆さんと一緒に捜索していたのですが、
辺りは暗く、公園も想像以上の広さで
「先にポスター貼りをしよう」と言っていた矢先、
今度は「ひとみが自宅付近に戻っている」と連絡が入り、
私はすぐにご自宅付近に戻りました。


実はこのとき、ひとみはいぬ親様宅の玄関まで戻っていました。
ところが、走り寄ってきたいぬ親様に驚き
また逃げてしまったとのこと。


そこで、今度はいぬ親様宅付近を捜索していたところ、
夜2時頃、警察の方に呼び止められました。


実は…。


私が長時間車を止め、首輪とエサを入れた袋を持って歩き回っていたため、
不審者と間違えられ、複数の方から通報されてしまったとのこと…。


そのため警察の方に事情を説明し、
駐在所にも連絡を入れてあることをお話ししたところ、
ご理解いただけたものの、身分証明書と車検証の提示と共に、
その場からの車の移動と、捜索の中断を求められたため、
それ以上の捜索を断念しました。


その後、いぬ親様宅から少し離れた場所に車を移動し、
車中から外の様子を見ていたところ、
夜3時近く「ひとみらしき犬がこちらを見ている」と連絡があり、
確認しようとしたところ、またも走り去ってしまったとのこと。


そこで、今度はライトを消してあちこち歩き回り、
朝5時半まで捜索したのですが、
結局、朝までにひとみを保護することができませんでした。


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実はこの日、私にはどうしても外せない仕事があり、
一旦、自宅に帰らなければなりませんでした。


私はあるクリニックで、月に数日だけ
「超音波検査技師」としても仕事をしています。


いくらひとみのことが心配だと言っても、
私の検査を受けるため、何ヶ月も前から予約をし、
検査を受けにくる人がたくさんいます。
その方たちの想いまで、裏切ることはできません。


でも、帰る前に、
もう一度だけ探してみよう…。



周囲が明るくなり始めた公園の入り口で、
ひとみのポスターを見ました。
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そのポスターを目にした瞬間、
初めてふと「もう、ひとみに会えないかもしれない」と思いました。






ひとみ…。


今、どこにいるの?







怖くて、不安で、涙が止まりませんでした…。
でも、すぐに気を取り直しました。


私が弱気になってちゃいけない!
怖くて不安なのは、私じゃなくてひとみだもの。


ひとみ、大丈夫だよ。


絶対、絶対、どんなことをしても、

おばちゃんが必ず見つけるからね!!


ひとみ、早く出ておいで!

そして、おばちゃんと一緒に帰ろう…。




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帰宅後、仕事に行くまでの1時間の間に、
ポスターなどの印刷、ひとみが食べていたエサ、
うるさらちゃんの匂い付きシートなどを用意。


そして「マイクロチップ登録用紙」に私の住所と連絡先を記入し
「逸走中のため、大至急登録をお願いします」とのメモを同封し、
速達で郵送しました。


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逸走時、ひとみは首輪をしていませんでした。
ということは「迷子札がない」ということ。

仮にこのまま保護されても、連絡先がわからないので、
最悪ひとみは「動物愛護センター送り」になってしまいます!


さらに、正式譲渡前のひとみは、まだ畜犬登録をしていません。
「マイクロチップ」は入っているものの、登録は未だ。。。


トライアル中の迷子札なしわんこは
「身分証明がない= 捕獲犬と同じ状態 」なのです。


そう。

今のひとみには処分の可能性が!!





車の中で「迷子札がない」と聞いた私は、
この登録を最優先にしようと考えていました。


しかし、その日から週末。
マイクロチップの登録を行っている「動物IDセンター」はお休み。
動物愛護センターもお休みで、連絡方法がありません。


しかも、ひとみのいぬ親様宅のすぐ裏は別の市です。
後手に回れば、最悪となる確率も倍増します。
なので、メモ付きの速達で送りました。


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その後、当直明けで夫が帰宅しました。
私同様、一睡もしていないのは知っていたのですが、
電車でそのままいぬ親様宅に向かってもらい、
私は仕事に向かいました。


この日もスタッフの方々が朝早くから駆けつけてくださり、
ポスター貼り等をお手伝いいただきました。


そして13時すぎ・・・。


いぬ親様宅から500mほど離れた公園にいたひとみを
ポスターを見たご近所の親子連れが見つけ、
公園の隅にひとみを追い込みながら捕まえ、
ポスターに書いてあったいぬ親様の連絡先に連絡くださったとのこと。


すぐにいぬ親さま様が駆けつけ、
無事、ひとみを保護することができました。


その直後、仕事先の私のところにも
「ひとみを無事保護した」と、夫から連絡が入りました。


逸走の話をしていたクリニックの仲間たちが
「よかったね!」と、大喜びしてくれました。


よかった…。


本当によかった…。



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その後、すぐ私もいぬ親様宅に向かいました。


その車中で、自分に誓ったことがあります。


絶対、ひとみの前では泣かない!


私が感情のままに取り乱せば、
ひとみはまた動揺してしまうでしょう。


せっかく無事に戻ってきたのだから、
私は泣かずに、うんと褒めてあげよう。
そして、あくまでも「おばちゃん」の立場を貫こう…。


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16時すぎ、ようやくこの目で、
元気なひとみの姿を確認することができました。


ひとみは私を見るとふんふん鼻鳴きして甘え、じゃれついてきました。
どこにもケガはなく、元気そうな姿をこの目で確認することができ、
安心したと同時に、言葉に表せないほど嬉しかったです。


いぬ親様からは、謝罪の言葉をいただくと共に
「このままトライアルを続けたい」と哀願されました。


夫は、このまま続行を勧めました。
でも、私は「このままはいけない」と思いました。


いぬ親様ご一家は、ひとみのことをとてもかわいがってくださいました。
逃げたものの、ひとみも一度はいぬ親様宅に戻っていますし、
いぬ親様にも懐き始めていました。
いぬ親様も一睡もせず、ずっとひとみを探していただいていましたし、
何よりお子様たちの優しい気持ちを想うと、胸が痛かったです。


でも、ひとみは「私」の子ではなく、「ちばわん」の子です。
たくさんのスタッフの方々の日々のご尽力と温かい想いの元、
ようやく助かった命です。


このまま続行することは、多くのいぬ親様たちに
「なんだ、逃がしても平気なんだ」と思わせることにもなりかねません。
それは「契約書の有効性を自ら否定する」ことにも繋がります。


何より、このまま続行してしまったら、
時間経過と共に今回の出来事が風化し、
いつかまた、どこかで同じことが起こる気がしたのです。


とりあえず、今日は連れて帰ろう。
そして、副代表や皆さんの意見を仰いでから今後を決めよう。


そして、後ろ髪を引かれる想いを振り切り、
私はひとみを連れて自宅に戻りました。


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この様なわけで、現在ひとみは我が家で保護しています。

ひとみも私も今日は元気を取り戻しつつあります。
たくさんのご心配いただいた皆様、ありがとうございました。


今後、このまま預かりボランティアを続けるかどうか、
結論はまだ出せていません。


昨日まで「辞める」と決めていました。
理由はどうあれ、ひとみに怖くて悲しい思いをさせてしまった…。
もう2度と悲しい思いはさせないと、ひとみに誓ったのに…。


でも、たくさんの諸先輩方から心優しい言葉をいただき、
心が揺れているのは事実です。


でも、少なくとも今は、
続けていく自信がありません…。


もう少し時間が経ち、私の心がもうちょっと落ち着いたら、
改めて、また考えてみようと思いますので、
今は少しだけ私に考える時間をください…。


今回のことで、たくさんの皆様にご迷惑とご心配をおかけしました。
本当に申し訳ありませんでした。
この場にて、お詫びと御礼を申し上げます。


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by urusara_wanko | 2011-08-07 19:55 | ひとみ